太陽光パネルの種類と特徴
太陽光パネルの種類と特徴
太陽光パネルは「シリコン系」「化合物系」「有機物系」に大きく分類されています。
この中でもシリコン系の材料を用いた太陽光パネルは、古くから使用されており極めて広い普及率を誇っています。
単結晶シリコン方式
単結晶シリコンを主材料とした太陽光パネルです。
200~300㎛の単結晶版を使用しており、シリコン系の太陽光パネルとして非常に高い発電効果を持ち、信頼性に優れた材料です。
発電効率の高さは電力密度の高さに比例するので、より小さな面積で大きな発電量の確保が可能です。
シリコンの特徴として、高温になると発電効率が低下するという欠点がありますが、日本国内の気温変化程度であれば、年間を通して十分な発電量が確保することができます。
個人住宅の屋根など単結晶のパネルを用いることで、高効率なシステムを構築することが可能です。
半導体分野においてはイレブンナインと呼ばれる「99.999999999%以上」の高純度のシリコンが用いられますが、太陽光発電においては必ずしも高純度のシリコンを用いる必要はなく、6~7ナイン「99.9999~99.99999%」のシリコンが使用されています。
ちなみにソーラー用に使用されているシリコンは、ソーラーグレードシリコンと呼ばれ区分されています。
シリコンに不純物が混在していると、電子の移動が不純物によって阻害され、エネルギーを大きく損なうので、トランジスタ用のシリコンなど、微弱で精密な電気エネルギーを扱う電子分野では、不純物の存在が致命的となります。
けれど、比較的大きな電圧や電流を扱う太陽光発電分野では、電子分野と同様の性能を求めなくても、所定の品質が確保できるとされているため、要求純度が緩和されているうえ、半導体用に用いるシリコンよりも純度が低くても支障がないため、製造にかかわるコストを低減され、大量生産が可能となっています。
単結晶シリコンによる太陽パネルを製造する場合、純度の高いシリコンを多量に使用しなければならないため、価格が高くなるのが欠点でした。
このため、純度の低いシリコン結晶を組み合わせて製造できる多結晶シリコンのパネルよりも普及率に劣っていましたが、近年のおいては多結晶シリコンと単結晶シリコンのパネル価格差はほとんど無くなりました。
多結晶シリコン方式
多結晶シリコンを主材料としたパネルは、単結晶パネルとして使用できない小さな結晶を集めた板で作られています。
多結晶シリコンは、シリコンの端材を組み合わせて構成されるため、多数の単結晶ブロックがつぎはぎに接続された状態です。
つぎはぎ部分は電子の移動が阻害されるため、単結晶よりも発電効率が悪化するという欠点がありますが、大きな単結晶シリコンを使用せずに製造できるため、製造コストが大きく低減できるため、高い普及率を誇っています。
発電効率は単結晶パネルに劣りますが、シリコン半導体の端材や低グレードのシリコン結晶を集めて製造できるため、安価で生産し易く単結晶方式よりも省エネの製造が可能なので、広い面性が確保できる場合であれば、コスト効率の良い計画が可能となります。
アモルファスシリコン方式
非結晶であるアモルファスなどを用い、1㎛の薄い膜を形成した太陽光パネルです。
赤みがかった表面色をしており、低照度でも高い変換効率があるため、電卓の補助電源に広く使用されています。
太陽光パネルとして構築するための必要な厚さが極めて小さいため、使用するシリコン原材料が少なくて済み、大面積を安価に生産できるという特徴がありますが、結晶シリコンよりも発電効率に劣るため、大きな発電量を確保するのが困難です。
アモルファスシリコン系の太陽光パネルは、高温でも効率が悪化することがないため、屋根面など高温となる場所でも高い発電性能が維持可能とされています。
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